納棺師(士)について

映画『おくりびと』のヒットを受けて知名度が上がった納棺師ですが、

仏教の宗派のように色々な呼ばれ方があります。

まずは一般的に納棺師は化粧を施し、

着物を着せて棺の中へ納棺する人のこと、

また死化粧師(士)とも呼ばれます。

湯灌師は、自宅または斎場に浴槽を持って行き、

個人様をご洗体、ご洗髪させていただく人のこと。

また事故などにより損傷の激しいご遺体を専門的にケアにあたる

復元納棺師と呼ばれるエキスパートもいます。

エンバーミングという特殊処置を施すエンバーマーというスペシャリストもいます。

エンバーミングはもともと南北戦争で亡くなった兵士を故郷に戻すために、

ご遺体の長期保存から始まった技術であると言われてます。

感染予防にも最適かつ腐敗にも強く、

海外搬送では必ず施さなければなりません。

土葬文化の根強い北米などではエンバーマーはかなり格式高い職業です。

エンバーミングに関してはIFSA(一般社団法人日本遺体衛生保全協会)の規定により、

あまり適当なことは書けないのですが・・・。

何でも極めるにはそうだとおもうのですが、

並大抵の勉強では習得できるような仕事ではないです。

赤ちゃんのお肌

私は横須賀の湯灌屋からスタートしました。

悲しみの現場は辛く、最初の3ヶ月は本当に必死でした。

詰め物や口上、所作や着替え・・・。

今でも思い出すのは赤ちゃんの担当をした時です。

握り拳くらいの大きさの顔には、

保湿クリームが全く馴染まず、

必死で『ごめんね』『ごめんね』とつぶやいてました。

帰りの車で無力さに涙がボロボロ・・・。

初めてストレスからくる蕁麻疹になりました。

その後勉強したことでわかったのは赤ちゃんの肌は水分が多く、

アルコールの入った製品は全く合わないことでした。

それでも毎日通い続け色が変わらないようにつとめました。

赤ちゃんのパパとママには『毎日来てくれてありがとうございます』と言われました。

違うだろ!気を使わせてどうすんだ!疲れてんのは明らかパパとママなのに・・・。

かける言葉が何も見つからないのです。

おそらく死の間近で働く人たちには一度は経験あるはずです。

おくり鳩

せめてもの思いとして納棺前に「おくり鳩」をお渡しました。

鳩は古来より神仏の使いとして、

思いを天へ運んだと言われてます。

私は出棺も担当しましたが最後まで何もお声掛けできませんでした。

出棺のバスの中ではお坊さんの唱える『舎利礼門』が響いてました。

赤ちゃんのママは火葬場までずっと何かを握ってました。

荼毘に付される最後の別れの時、

『これ入れたいんだけど・・・。』

そっと「おくり鳩」を綿花の布団で眠る赤ちゃんの上に手向けてました。

日頃わかったような口調で仏教や宗教を語ってても、

私には実際に浄土や天国なんかあるかわかりません。

それでもこの時は南無阿弥陀仏なのか南無妙法蓮華経なのか、

南無釈迦牟尼仏なのか何だったのかわかりませんが、

強く強く・・・ただ強く・・・手を合わせてました!!

写真は参考にした先生たちの本です。

あとは実践と先輩の姿で学びました。

追記

北米でも火葬率はグッと上がっているそうです。これは1960年代バチカン公会議でカトリックが火葬を容認したことからと言われてます。

投稿者: katouseiichi

山形県のたかが葬儀屋です。少しでもいいから世の中に地域に貢献したいです。